【研究テーマ】 熱と物質の移動現象に関する研究
気体などの物質や熱の移動現象は重畳して生じることが多く、自然界のあらゆる場面で見られることから私たちの生活と深く関わっています。例えば、身近なところではエアコンで室内を暖かくしたり、涼しくしたり、一方地球規模では、太陽によって地球が暖められており、また地球上の二酸化炭素などの温室効果ガスによって、宇宙への放熱が抑えられ、さらに地球が暖められたりするわけです。さらに、皆さんは空気中で生活しており、皆さん自身も食事により得たエネルギーを熱として環境に放出しているのです。したがって、熱・物質の挙動を解明し制御することは、地球の温暖化防止やエネルギーの有効利用など、今後の環境とエネルギー問題を解決するためにとても重要です。そこで、武田研究室では、将来のエネルギーシステムとしての自然エネルギーや原子力エネルギーの利用に役立てるため、熱と物質の移動現象を調べています。
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【主な研究内容】
1. 多成分気体の分子拡散と対流による混合過程
2. 自然循環流の制御法に関する研究
3. 多孔性材料を用いた伝熱促進に関する研究
※対象とする事例
@超高温ガス炉の安全性に関連して、減圧事故あるいは配管破断事故の空気浸入、
及び空気浸入防止に関する研究、圧力容器の受動的冷却システムに関する研究
A環境熱を利用するエコハウスに関連して、太陽熱や地中熱を利用する室内空調に
関する研究
その他、熱と物質の移動現象に関する実験及び数値解析的研究を行なっています。
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研究紹介(PDF)@A
一部の研究内容に関する詳細はこちら |
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【公募型研究の詳細】
○これまでに終了した公募型研究(受託研究を含む)
H20-H22科学研究費補助金研究 基盤研究C
「自然対流が発生する二成分気体系安定密度成層内の分子拡散挙動の研究」 (報告書)
H21シーズ発掘試験 発掘型研究
「ヘリウムガスによる自然循環流のパッシブ制御法の開発」 (報告書)
H27RING!RING!プロジェクト
「直接膨張方式地中熱ヒートポンプの開発実証補助事業」 (報告書)
H28RING!RING!プロジェクト
「直接膨張方式地中熱ヒートポンプの空調給湯性能向上と地盤環境評価補助事業」
(報告書)
○現在実施中の公募型研究(受託研究を含む)
H23年9月から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「再生可能エネルギー熱利用計測技術実証事業」において、(株)萩原ボーリングが担当する地中熱利用設備を対象とする熱利用計測技術実証事業のうち熱量計測の実証を山梨大学での受託研究として武田研究室にて実施しています。
現在、1次系が不凍液、2次系が冷媒方式の地中熱ヒートポンプシステムを工学部A1号館の103号室及び105号室に導入するための工事を進めています。室内には3台の空調機器及び床暖房とパネルヒータを設置し、1次系及び2次系の流量、温度等の連続運転データを取得します。H24年4月から連続運転を行い、実用化に必要な熱量計測基礎データを取得するとともに、各種計測機器から算出した熱量計測の精度評価を行い、経済性の観点から計測機器の有効性の評価を行います。
今後、ホームページにおいて、適宜、進捗状況をお伝えいたします。
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【研究室の指導方針】 |
卒研生や大学院生に対する共通の教育方針として、自分自身で研究計画を立てて進めることの難しさを経験してもらうために、可能な限り学生の自主性に任せた研究の進め方を取り入れています。もちろん、研究の進め方について大枠は指示しますが、予定通り進められない、期日までに予定したことが達成できないと判断した時は、何が悪かったのかということを理解させるとともに、その後は厳しく指導することとしています。卒研生に対しては、研究というよりも研究活動を通じて、検討したことを文書にまとめること、まとめたことを的確に他の人に伝えられるよう発表できること、を重視しています。大学院生に対しては、原則として機械学会の学生員になって、少なくとも2回以上は国内外の学会において、研究成果を発表することにしています。 |
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