山梨大学 工学域地中熱利用研究ユニット

地中熱冷暖房空調・給湯システムの開発

20171215

U字型の銅製円管地中熱交換器を製作し、深さ30mのボアホール内に設置した。ボアホール径は約100mmであり、円管の底を閉じたカップ式の容器である。この中に水を入れて、その中に地中熱交換器を挿入した。地温変化を計測するため、ボアホール内には熱電対を挿入した。性能評価を行うため、室内機側では、風速計センサー、熱電対、湿度計を取り付け、エンタルピー法にて熱量を計測した。実施した試運転、及び予備試験により冷房性能を評価するためのデータを取得した。また、連続運転性能を向上させるために水冷方式を採用した実験の準備を整えた。さらに、給湯システムの応用可能性を検討するために冷水温水生成時の熱交換性能データを取得した。これらにより、冷暖房運転時の性能評価を行った。

直膨方式地中熱ヒートポンプの開発に関しては、冷暖房時の性能データを取得し、昨年度の性能データと比較した結果、冷房時のCOPが12以上,暖房時のCOPが8以上であることを確認した。(日本機械学会熱工学コンファレンス2015研究発表論文 平成27年10月25日発表)また、地中熱交換器内での冷媒状態、地中との採放熱特性、地中熱交換器の形状の違いによる性能(COP値)への影響に関する知見を得た。以上の成果をもって、補助事業を完了した。