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Research研究内容


遠心による分子間相互作用の力学解析

当研究グループでは抗原抗体反応に代表される、特定の分子の組み合わせで結合が生じる現象を長年取り扱ってきました。 無数に存在する分子の中から10 nm(100万分の1cm)という小さな分子が、特定の相手を見出し結合を形成するという現象は、神秘的なほど大変興味深く感じられます。 ところで、機械工学では材料の強度を調べる方法として引張試験法という計測技術があります。当研究グループではこの技術に習い、分子間の相互作用を力学的に計測する技術の開発に取り組んでいます。 動画は、この様子を示すものです。溶液で満たされたマイクロな空間に閉じ込められた大きさ数10μmの微粒子に対して遠心力が絶えず印加されています。動画の最後には一つの微粒子が上の方に移動していく様子が示されています。 実は、動画の最初から最後にかけて徐々に遠心力が増大しており、遠心力による浮力が粒子同士の接点に形成された抗原と抗体との結合力を上回ったときに微粒子が外れていく様子が観測されたものです。 このような実験から推定される抗原抗体反応の結合力は数10pN(1兆分の1kg程度に相当)であることが推定されています。 この原理も当研究グループのオリジナルのものであり、この計測技術の性能向上や応用が主な興味となっています。

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