次世代原子力システムの1つである高温ガス炉の1次冷却系配管破断事故時の第1段階において、圧力容器と固定反射体との環状流路部で発生する局所的な自然対流は、第1段階の持続時間を決定する重要なファクターの1つである。しかし、2成分気体を用いた二重拡散対流の研究はその難しさからあまり行われていない。
そこで、本研究では片面を加熱、もう一方を冷却した鉛直平板により鉛直流体層を構成し、上部空間には軽い成分気体が、下部空間には重い成分気体を充填した場合について、重い気体がどのような過程を経て上部空間に運ばれるかを調べることが目的である。下記写真の実験装置を作成し、その装置を用いてHe,Ar,Ne,N2の4種類の気体について組み合わせを変えながら実験を行う。その実験結果を元に、数値解析の結果との比較検討を行っている。
高温に加熱された容器を周囲から冷却する際に、一般的な冷却方法として、強制対流や水の沸騰熱伝達を採用することが多い。しかしながら、原子炉を格納する圧力容器の冷却などの原子力設備を冷却する場合には、受動的かつ安全な方法で冷却することが望まれる。このため、受動的な冷却方法として気体の密度差に起因して発生する自然対流の利用を検討している。 一般に自然対流は沸騰や単層流の自然対流に比べて冷却能力が劣ることが知られている。そこで伝熱促進の手段として、高温の壁面近傍に高空隙率の多孔性材料層を設置した。この方法は自然対流の乱れを促進すること、及び放射熱伝達の利用を促進することなどから、伝熱促進の可能性があると考えられる。 本研究では多孔性材料が伝熱特性に与える影響を評価するために2つのアプローチを行っている。
卒研生や大学院生に対する共通の教育方針として、自分自身で研究計画を立てて進めることの難しさを経験してもらうために、可能な限り学生の自主性に任せた研究の進め方を取り入れています。もちろん、研究の進め方について大枠は指示しますが、予定通り進められない、期日までに予定したことが達成できないと判断した時は、何が悪かったのかということを理解させるとともに、その後は厳しく指導することとしています。卒研生に対しては、研究というよりも研究活動を通じて、検討したことを文書にまとめること、まとめたことを的確に他の人に伝えられるよう発表できること、を重視しています。大学院生に対しては、原則として機械学会の学生員になって、少なくとも2回以上は国内外の学会において、研究成果を発表することにしています。